僕はヌーヴェルヴァーグ映画が大好きで
10代後半からほんとによく観ていた。
彼が出ていた作品は特に。

多くの人が彼に魅了されてきたけど
僕もまたその中のひとりだった。
帽子に煙草にサングラスに色々と真似もした。
もちろん、親指で唇を撫でる仕草も。
顔を青く染めたことはなかったけど。

サントラを大音量で流しながら
助手席にジーンセバーグを乗せて(乗せたつもりで)
車を走らせたりもした。
5回に1回くらいは内緒で
アンナカリーナも乗せた。
パリの街並みとは程遠い田舎道でさえ
華やかな大通りに見えた…と思う。

そんな風に
僕の人生を豊かにしてくれた人だった。
遠い遠い、異国の地から。
日本の文化にも
たくさんの影響を与えてくれた。
彼に憧れた俳優や監督も沢山いて
その人たちの作品がまた生まれて。
そうやってルーツは受け継がれていくんだ。
音楽や芸術もそう。
なんだってそうなのかもしれない。
どこかの食堂の秘伝のタレみたいに
新しい人のスパイスがルーツに触れ
足したり引いたり
傾けたり逆さにしてみたりして。

ベルモンド。
これからもずっと
僕のヒーローです。
心からありがとう。
愛してます。
R.I.P.

Comments